はじめに
同じ情報を、二か所に入れている。
システムのご相談を伺うと、かなりの頻度でこの状態に行き当たります。片方の画面を見ながら、もう片方に手で入力する。誰かが毎日それをやっていて、けれど誰も問題として挙げていない。
システムを入れるときの検討は、どの会社でもかなり慎重です。それなのに、こうした状態が残っています。
つなげたいとは思っている。ただ、つなげられるのかどうかが分からない。だから手つかずのまま残っています。
システムを選ぶとき、何を見ているか
以前、システムコンサルタントとして医療分野に関わっていました。選定の場で見られていたのは、費用、使い勝手、システム連携、そしてセキュリティです。
医療の場合、セキュリティは選ぶ前の前提として扱われます。満たしていない会社は、そもそも検討の対象に入りません。医療機関には、信用のある会社以外から物を買わないという文化があるのだと思います。まず信用で絞って、そのあとに条件を見る。
システム連携についても、うまくいきやすい事情があります。多くは、組み合わせが決まったパッケージとして導入されるので、はじめからつながった状態で入ってくるからです。
そのうえで、それでも「これはあれとつながるのか」という確認は出てきます。そのとき、信用できると判断した会社が「つながります」と答えれば、実際につながる。自社の製品で揃えるにしても、他社のシステムを組み合わせて持ってくるにしても、つながることを引き受けた会社がいる状態になります。
揃っているかどうかではなく、任せて大丈夫だと思えるかどうかです。
つながらない部分が残っていく
一方、一般企業はそうなっていません。
必要になったものを、必要になったときに、個別に選んで入れます。それ自体は合理的な判断です。
ただ、しばらく運用してから全体を見返すと、もう少しこうなればいいのに、というものが出てきます。あの情報がこちらでも見られたら。この入力が一度で済んだら。そこで追加で入れる。またつながらない。
ある企業を訪ねたとき、まさにその状態でした。それぞれのシステムは役目を果たしていて、導入したときの判断も間違っていません。**一つひとつは正しかったものが、積み重なると全体として苦しくなる。**そういうことが起こります。
気づかれにくい理由
システムを入れるとき、これはどこと、どうつながるのか。それを確認するのは、多くの場合お客様のほうです。メーカーは自社の製品を入れることが仕事ですから、そこから外れたことを進んで尋ねるとは限りません。
そして重複は、あとから来たシステムとの境目に生まれます。その境目を見る役割は、本来なら誰かが担うべきものですが、置かれていないことが多いのではないでしょうか。
確認したうえで「つながりません」と分かった場合は、人が手で入れる運用が組まれます。それは正しい対処です。ただ、その運用が数年続くと、もう問題として見えなくなります。
もうひとつあります。二重入力をしているのは、そのシステムを選んだ部門ではないことが多いのです。ある部門が入れたシステムの内容を、別の部門の担当者が自分たちのシステムに入れ直している。選ぶときの打ち合わせにその担当者がいなければ、重複が生まれること自体、誰も気づきません。
そもそも、完璧なシステムなど存在しません。どこかに隙間は残ります。ですから、こうなっていること自体は仕方のないことだと思っています。「ここがもう少しこうなれば」を見つけて片づけていくのが、私たちの仕事です。
まず、運用の課題を伺います
私たちが最初に伺うのは、どのシステムとどのシステムをつなげたいか、ではありません。いまどんな運用の課題を抱えているか、です。どこで手が止まるのか。誰が何を二度入れているのか。何に時間がかかっていて、何が抜けやすいのか。つなぐべき場所は、その話の中から出てきます。
そのうえで、いま使っているシステムの仕様を調べます。外にどんなデータを出せるのか。外からどんなデータを入れられるのか。決まった形で受け渡せる仕組みがあるのか、ファイルの出し入れしかできないのか、そもそも何も用意されていないのか。
調べればわかることです。ただ、調べようという発想が出てきません。毎日やっていることは、そのうち手間だと感じなくなります。二か所に入れるのが当たり前になっていれば、それを疑う理由がありません。
手段も、ここで初めて見えてきます。システム同士を直接つなぐのか、間に処理を挟むのか、AIに任せられる部分があるのか、運用を変えれば済むのか。並べて比べて決めます。手段は、調べたあとに決まります。
できないと分かることもあります
調べた結果、つなげられないという答えが出ることもあります。
正直に言えば、もどかしい瞬間です。目の前に二重入力が残っていて、直せるはずだと思っているのに、システムの仕様が許さない。何度も経験しています。
ですが、それも結論です。できないと分かれば、手で入れる前提で運用を組み直すという判断ができます。入力する箇所を一か所にまとめる。担当を決めて手順を残す。次にシステムを入れ替えるときの条件に、連携を入れておく。
AIで業務が加速すると言われている時代に、見落とされやすい問題だと思います。できるのかできないのかが分からないまま、これはこういうものだと受け入れられて、放置されていく。判断できない状態が続くほうが、できないと分かるよりも損をします。
調査から、運用改善まで
弊社は、運用の課題を伺うところから、仕様の調査、結論を出すところ、そして構築までを続けて行います。仕様を確認した人間がそのまま設計に入るので、間で落ちるものがありません。調査の段階で見えていた懸念を、そのまま実装の条件にできます。
そして、作ってからのほうが長く続きます。動かし始めると、想定していなかったことが出てきます。使ってみて初めて分かる不便もあります。そこも含めて、継続して伴走する形をとっています。
調べるところ、作るところ、そしてその後のサポート。この三つを一社で引き受けられることが、弊社の力だと思っています。
まずはご相談ください
弊社は、その業務に何が必要なのかを、お客様と一緒に見極める会社です。
いまどこで手が止まっているのか。どこで同じ情報を二度入れているのか。そこを整理すると、手を入れるべき場所が見えてきます。運用を見直すだけで解決するのであれば、作らずに済む方法をご提案します。
初回のご相談は無料でお受けしています。「つながるのかどうかを知りたい」という段階のお話でも構いません。
― テクノロジーで思いをカタチに ―